2010年からBlueBlueのジーパンを愛用していたのだが、リペアを重ねて穿き続きてボロボロになってきたのと、違うメーカーのレプリカジーンズが恋しくなり、2018年頃から様々なブランドをチェックしていた。
どのブランドも雰囲気があって素晴らしいのだが、見れば見るほど、どこのブランドが良いのか段々と分からなくなってきた。
高校生の頃はステュディオ・ダ・ルチザンを穿いていて「通なん穿いてるなぁ」と年上のお兄さんに言われたのが嬉しかった。
ネットで色々と調べていて、辿り着いたのがワンピースオブロックだった。一本のジーンズを一人の職人が全行程を担い、制作しているという仰天なメーカーだ。このジーパンはCONNERS SEWING FACTORYの小中さんとカオリさんが中心となって制作しており、FORTY NINERS（フォーティーナイナーズ）というお店で販売している。元々FORTY NINERSをアメカジの服屋として小中さんが立ち上げ、そして拘ったジーンズを作りたいという事でワンピースオブロックというジーンズを生み出し、その工房がCONNERS SEWING FACTORYという事だそうだ。
そもそも、現在のジーンズの制作工程は知りませんが、相当珍しい事だそうだ。また、驚くべきはヴィンテージデニムを忠実に再現しているところにある。
デザイン、縫製は勿論、糸、ミシン（40、50年代物）に至るまでできる限り当時の制作環境を再現しているというジーパンはもはや伝説。恐るべき気合いの入れようです。
とあるマニア曰く、リーヴァイスのヴィンテージデニムとの違いは「時間が経過していないだけ」との仰天のセリフ。
ここまで言われると、気になって仕方がなく、この温めてきた積年の思いを胸に2019年9月初旬に平日の休みを利用して伺うことにした。商品の入荷状況はFORTY NINERSのInstagramでのみ告知しており、伺う前日の投稿を確認するとジーンズの入荷がしていたようなので、電話で直接在庫を確認すると「昨日に商品入荷が少量あり、まだ在庫はありますよ」とのこと。
翌朝8:30の電車に乗り、神戸から10年ぶりに野洲を通り過ぎた車窓は田園風景が美しく映える。近江八幡駅で近江鉄道に乗り換え、八日市駅に着いたのは11:40。なんと長い旅だったか。
八日市駅に降り立つと、静かな町の印象で、こんな所に全国に名を轟かすジーンズショップがあるのかと疑問に思うほどだった。
商店街に入り、しばらく歩くと、煌々と輝くお店が見えてきた。ここかな？と思いつつ、近くにあるCONNERS SEWING FACTORYまで歩いてウロウロしていると、小中さんがいらしたので、「すみません、ジーパンがほしいんですけど、どこで売ってますか？」と聞くと親切に「そこ、右に曲がったらFORTY NINERSっていう電気のついた店があるからそこやで」と無知な私に丁寧に説明していただいた。さっき通り過ぎた店や！
ドキドキしながらお店に入ると、アメリカンな雰囲気が漂うお店は大阪にもあるような感じだったが、什器などをよく見るとやはりこだわったものを使っている様子。
店内をゆっくりと回っていると、目的の大戦モデルのジーンズが目の前にあり、店員に在庫があるサイズを尋ねると、私に合いそうなのはw31とのこと。
サンプルを試着をすると、「おなかきっつー」って事で、残念ながら諦めた。
しかし、大戦モデルは売り切れだけど、54モデル（50年代の501xx）ならw33がありますよ！との女性店員さんの案内。お値段は28,000円！！
手に取ると、めちゃくちゃかっこいい！って単純に感じてしまった。糸とか型とかデニムの雰囲気とか。
聞けば、このモデルはカオルさんという女性の職人が制作したジーパンだそうで、かなりの人気で奇跡的に1本だけ在庫があるとの事。勿論、次回入荷未定。
大戦モデルが出るまで待って買うか、54モデルを買うかかなり悩んだ。そもそも大戦モデルも次回入荷未定だし、入荷しても買いにこれるかわからない。
時計を見ると、13時前。夕方までには神戸に帰らないといけないので、13時過ぎの電車に乗らなければいけない。
もう勢いに乗って買ってしまえ！って事で購入し13:12八日市駅発の電車に乗って帰った。
田園風景が広がる車窓を眺めながら神戸に帰り、自宅に着いたのは16時。早速、洗濯機に入れて水多めの洗剤なしで洗いをかけて、翌朝に試着。
柔らい着心地とシルエットに惚れ々。
狙っていた大戦モデルじゃないけど、50年代の501xxのレプリカがここにあるのは嬉しい。職人のこだわりが生んだ最高の一本に出会え買って良かったとつくづく思う。

■FORTYNINERS
〒527-0012 滋賀県東近江市八日市本町14-25

■CONNERS SEWING FACTORY
〒527-0012 滋賀県東近江市八日市本町16-10