6月7日の朝に苦楽園駅前の千鳥饅頭でゼリーを購入し、妻と杉浦先生の自宅がある仁川へと向かった。
初めて仁川に降り立ったのやけど、閑静な住宅街で無愛想な店員がいる雑貨屋があった。
Googleマップを頼りに歩き進んでいると、家の前でお花にお水を上げている女性に出会った。きっとこの人が杉浦夫人だと思い、的中。
家の中に案内をされてびっくりしたのは、ヨーロッパ風の家で靴のまま家に上がってくださいとの事だった。庭も立派で四季を感じる事ができてとても気持ちの良い風が吹いていた。
案内された応接室に入ると、杉浦先生の遺影があり、手を合わせた。
応接室には杉浦先生の絵が沢山飾られていて、素晴らしい雰囲気に包まれていた。可愛いアンティークの人形や陶磁器も飾られていてどれも気に入るものばかりだった。
様々なもので飾られた部屋だったけど、いやらしさやごちゃごちゃとした雰囲気は無くて、とても温かい雰囲気だった。
杉浦夫人とは杉浦先生の思い出話で花が咲いた。
お二人の出会いを聞いてみると、小学生の頃に同じ絵画教室に通っている時との事だった。そして、その画塾には若かりし頃の鴨居玲が教えていたようで、びっくりした。
てことはMr.Unisexは鴨居玲の孫弟子か?なんちゃって。
ふと壁を眺めると一見、アンティークの器を飾っているのかなぁ?と思った。マイセンともとれる綺麗な絵付けに飾ってあるお皿やガラス瓶の事を聞いてみると、なんと全て夫人の作品というからビックリした。そう言えば昔、絵の教室に通っていた頃、杉浦先生が妻が作るお皿の絵付けが先生よりも上手と言っていたのを思い出した。
時折、杉浦夫人は席を立ち、お茶やケーキを運んで来てくれた。最後にオレンジのロールケーキを出してくれた。これがなんとも美味しいケーキで話を聞くと杉浦先生の大好物だったようで、お亡くなりになる直前まで、このケーキだけは食べていたようで、その話を聞くとなんとも言えない気持ちになった。
時間も良い頃合いとなり、庭を3人でプラプラと散歩して長居もそこそこに帰途についた。
話を聞き振り返ってみると、杉浦先生は根っからの画家だったんだと思った。常に作品と向き合い、葛藤し、自分の美しいと思う美について研究していたんだと思う。まさに「夙川美術研究所」である。
杉浦夫妻、本当にありがとうございました。