そごう西武のあの日Vol.07〜厳しいそごうのルール〜

そごうは働く上で従業員にとにかく厳しいルールがある。厳しいルールを作っているのは他の百貨店でもあると思う。私が個人的に阪急、阪神、大丸百貨店に買い物に行く時があるが、どこも素晴らしい対応である。その裏でやはり厳しい接客ルール教育環境がある中での接客だと思っている。

そごうの場合は簡単に並べると以下のような事がある。
・従業員は百貨店内の通路を歩くときは私語雑談をせずに通路の一番隅を一列で歩く。横に並んで通行してはならない(宝塚音楽学校の下級生が廊下を歩く時のルールと同じw)
・売り場でお客様がいる間は事務作業をしてはならない
・フロア案内を見てるお客様がいればお声をかける
・そごう神戸店の館内(イベント、ブランドの場所、休憩所など)を把握しなければならない
・クレームを受けたらイエローカードをもらう(イエローカード3枚もらうとその店舗で働けない)
・ルールを破るとイエローカードをもらう
他にも色々とあったと思うけど、覚えているのでこんな感じだ。

私は実際にイエローカードを3枚貰ったことがある。前述したが、3枚溜まるとそごう神戸店では働けなくなるのだが、3枚目に貰った時に当時の8Fフロアの部長のハマちゃんが揉み消してくれたw

今回は2枚目のイエローカードをもらった時のエピソードを披露しようと思う。とにかく強烈的な思い出だ。

ある日、私はカッジーニと早番だったので、11:45に出社してきた遅番メンバーと入れ替わる形でお昼を食べにカッジーニと新館8Fにある社員食堂に出かけた。そごう神戸店の当時の社員食堂はなかなか美味しくて、一日の楽しみの一つだ。
この社員食堂に行くのにもルールがあり、お客様がよく通る通路をできるだけ通らないようにという配慮からかなり遠回りをして食堂に行かなくてなならないという鉄の掟がある。本館の8階にあった玩具売り場から新館7階にある従業員食堂に行くのに、普通に行けば、30秒くらいで行けるのに、遠回りをしなければならない為、3分ぐらいかけていかなければならない。

社員食堂で鱈腹食べたあとはお茶を飲んで雑談をして過ごし、売り場に向けて帰ろうと食堂を出た。もちろん帰りもルールを守って私語雑談をせずに一列で帰らなければならないところをこの日に限って、私はカッジーニと楽しく横に並んで話しながら売り場に向かって歩いていた。
すると、後ろから「こら!そこ二人!とまれ!」と声がした。どこかで聞いたことがある声だった。振り返ると歩いてこちらに向かってくるクスコさんが居た。私は血の気が引いた。「よりによってクスコか!」て心の中で思った。
クスコさんはそごう神戸店の従業員の接客マナーを教育する8人ぐらいいるトレーナー達のリーダーなのだ。とにかく厳しくて自分に逆らう奴は許さないとでも言いそうな雰囲気があり、そごう神戸店で、もの凄い存在感を放っていた。

そんなクスコさんは私たち二人を呼び止めてお客様通路のど真ん中で「君たち何をやっている!そごうは今、何をやろうとしてる?」とものすごい剣幕で私たちを怒鳴りつけたのだ。
今の令和の時代、これだけで十分なパワハラ、モラハラだ。しかもお客様の前で。さすがにまずいとクスコも思ったのか、「こっちにきなさい!」と私たちを非常階段に誘導し、ものすごい剣幕でしこたま怒鳴られた。カッジーニは「なんだ?その顔は?不満そうだな?」と野次られていた。

その後、売り場に戻りしばらくすると、8階の子供フロアの係長に呼ばれ、「クスコさんからイエローカードが出たよ、話は聞いたよ」って事で見事にイエローカードをもらったというお話でした。

このようなやり方が正しいとは全く思わないです。テナント従業員に対してなぜこのような厳しい対応をするのか全く理解できないし、パワハラとしか思えません。
このように従業員に対し、心ない扱いをするせいか、そごう神戸店から退職していく人達が揃っていう言葉があった。それは「絶対にそごうで買い物しない!」っていうものだった。そりゃそうだろうな。このように従業員を味方にできない企業がお客様を大切にできるとは到底思えないのである。なので、結果的にそごう西武の店舗が閉店し、売り上げが減少しているのも理解できる。
それにしても、あの時のクスコは機嫌が悪かったのかなぁ?物凄い怒鳴られたからなぁ。
クスコは元気にしているのかなぁ?

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